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2010年04月16日

大規模製鉄案件 再開増える


投資規模数十億USDに上る大規模鉄工案件の実施が、
中止されてから2年を経、現在、投資家が再起動し、
新規投資案件が続々に出てきている。
今まで認可された案件数は、投資総額が計画の2倍を超えたという。


新規投資案件 続々

先日、日本のKobe Steelは、
Nghe An省での10億USDの鉄工場投資計画の投資許可を獲得した。
同工場はHa Tinh省Thach Khe鉄鉱山の原料を使用、
生産能力は年間240万トンにのぼる。
Kobe Steelはここで作られた自社製品を、ベトナムで販売すると共に、
日本の他アジア各国にも、輸出することを計画している。
2011年1月にはHoang Mai工業団地で第1工場の建設を起工し、
2013年に活動を開始する予定。

Kobe Steelだけではなく、イタリアの機材調達企業Danieliグループも
数億USDの鉄工案件に出資することを決定した。
この鉄工場はBa Ria-Vung Tau省Phu My工業団地に建設予定となっている。
ベトナム鉄公社(VNSteel)は最近になって、
生産能力年200万トンの鉄工場建設計画の保有株式の19.5%を、
Industrielle Beteilingungs SA(Danieli グループの子会社)に譲渡した。

ベトナム最初の鉄板生産工場は投資総額5.5億USDである。
この工場は今年末に起工し、36ヶ月後には活動開始する予定である。

その他、VNSteelはインドの TATA Steelとの間で、
生産能力年450万~500万トンの鉄工場建設計画に関する合意書に調印を行った。
この案件は投資総額 40億USD、Ha Tinh省で工場建設を行う。
TATA側はこの計画の実施を制約している。

また、日本の第2位鉄生産会社であるJFEグループは、
Quang Ngai省Dung Quat経済団地で、鉄工場建設計画を検討中だ。
この工場の生産能力は年600万~1,000万トン、
投資総額は50億USD。

既存投資案件に投資家最流入

国際経済危機の影響により、資金源が困難になった投資家が
長い間投資を中止していたが、
最近になって、ベトナムに戻ってくる傾向が広まっている。

例えば、Guang Lian Steel ベトナム有限会社は
Guang Lian Dung Quat鉄工場の投資主で、
今年中の早期にベトナムに戻ることを、すでに知らせてきている。
この会社は台湾のTycoonsとE-United の合弁会社で、
投資総額は30億USD、生産能力が第1期で年300万トン、
第2期には500万トンになると計画している。

既に鉄工場を持っている投資家も、ベトナムへの投資を続けている。
例えば、韓国のPoscoグループは造船、飛行機製造用の
高級鉄工場の建設計画を立案している。
この計画の投資総額は7億USDで、まだ認可待ちの状態である。
認可されれば、Ba Ria-Vung Tau省におけるPoscoの第2の投資案件となる。
2009年10月、Poscoは生産能力年120万トンの生産能力の
東南アジアで最大鉄工場を完成させている。

計画の2倍超

このような動きにより、新規投資家と既存投資家が
ベトナムへの投資を再開する傾向が、拡大してきていることが分かる。
以前から専門家は、ベトナムの鉄工分野に対する計画はオーバーロードし、
生活環境に深刻な影響を与えるのでは、との警告を発してきた。

専門家によると、この3年間でベトナムは
多数の億USD級の鉄案件を調達してきたが、
国際経済危機により、いくつかの案件は計画の中止を余儀なくされた。
原因は全て資金不足である。

ベトナム経済の鉄消費需要を研究すると、
2020年まででベトナムは、年1,500万~1,800万トンの生産力を有するようになる。
そして、2025年までに、年間生産力は2,000万トンにまで増える計算だが、
現在、投資許可を発給された計画の生産能力は年4,000万トンにものぼり、
計画の2倍超となっている。

また、生産技術も重要な問題である。
時代遅れの技術や環境汚染を避けるため、
ベトナムは生産方法の採用審査を良く研究すべきである。



サイゴンエコノミックスタイムズ 2010年4月16日

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