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2011年11月07日

ベトナム大型不動産 外国投資家に安く買叩かれる


2012年、多くの不動産案件の所有者が変わっているだろう。
なぜなら、外国投資ファンドが、
国内不動産案件の買収価格を、低く抑えているからだ。


借入金の返済期限が近付くにつれて、
多くの国内企業が、外国投資家、外国投資ファンドに
不動産を安く買い叩かれる状況となっている。

外国投資家の買い叩き

11月3日、ホーチミン市不動産協会副会長は、
外国投資ファンドが国内不動産案件の買収に意欲的であることについて、
下記のように述べた。

「外国投資家の購入希望額は、前月の約50%で、非常に低かった。
また、法的手続きや、土地使用料の納入が完了していること等の
条件も細かくつけられている。」

PVL会社が、第2地区のPetro Vietnam Landmarkの
アパートの販売価格を、破格の1平米1,550万VNDと発表したため、
国内不動産業界は非常に困惑している。
それで外国投資家は、この販売価格を利用して
不動産案件の買収価格を交渉している。

現在、多くの外国投資家が、不動産案件の売買交渉を精力的に行っているが、
実際どこまで交渉が進んでいるのかは、まだ確定できない。
不動産オーナーによると、
外国投資家の提示価格が低すぎるため、
交渉をまとめようがない、とのこと。

不動産売買に関する情報が余り公にされないのは、
不動産案件実施に際して、銀行から高金利で借入を行っているため、
情報が公開されてしまうと、
企業の財政管理能力に対して、信用を失う恐れがあるからだという。

売買交渉は難航

この2年で、不動産市場が急速に冷え込み、
企業の動きもかなり鈍くなっている。
企業としては、物件が売れなくても、返済はしなければならず、
しかし、銀行からさらなる借入はできない、という状況である。

そのため現時点で最良の方法は、不動産を売却することしかない。
ただ、誰が・いくらで買収してくれるか、
というのが、難しい課題となっている。
主に外国投資ファンドが意欲的に買収を申し出てきているものの、
外国投資家事態も、自身の財政的苦境に直面していることが多く、
売買交渉は、まとまりにくいことが多い。

昨今の買収事情

今年に入って現在までに公開された不動産上場会社の情報によると、
ベトナム不動産会社が不動案案件を、
主に外国投資家に売却するケースは増えているという。

最近では、Khang An不動産株式会社が、
Tan Tao A(ホーチミン市)住宅団地の所有率のうち80%を
台湾のDacinグループに売却している。
この取引でKhang Anは3,000億VNDを回収している。

他にも、CapitaValue Homes Limited (CapitaLandの子会社)は、
子会社のCVH Sparkle Pte. Ltdを通じて、
Quoc Cuong Sai Gon(Quoc Cuong Gia Laiグループの子会社)
の株式の65%を、1,210億VNDで買収している。

以前にも同社は、Khang Dien Sai Gon
(Khang Dien投資営業株式会社の子会社)会社から、
Binh Trung Dong住宅団地(Ho Chi Minh市第2地区)の所有率のうち
70%を買収している。

その他数ヶ月前には、多くの土地を所有する
Hoa Sen、Vinasun等のグループの株主総会でも、
不動産市場の状況に合わせて、
不動産計画の売買を行っていくことが報告された。

来年以降の動向は

2012年は、借入金返済や高金利、市場の悪化といった財政的圧力を受け、
多くの不動産案件で、その所有者が変わることが予測される。

不動産市場の変動について、
Neil MacGregor-Savillsベトナム副社長は、
現在、国内不動産市場は投資資金を不足している。
そのため国内投資家は、新たな資金源を探さなければならない。
資金を調達し、投資パートナーを探すためには、
所有する不動産を、大々的に安売りする必要がある。
また、土地を多く所有する会社に関しては、
所有地の一部を外国投資家に売却することも考えられる。

Neil MacGregor 氏は、
「法律面の整備は遅れているし、市場の透明性も低い。
 投資許可発給に関する手続きも複雑で、
 売買時の両者の希望額の落差も大きいが、
 それでも今後は、不動産分野でのM&A案件が増加するだろう。」
との考えを示した。

実際、2010年には、第2地区と第7地区の高級不動産案件が
次々外国投資家に買収され、不動産名義の変更が相次いだ。



InfoTV.net  2011年11月7日

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