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2012年07月05日

不動産投資、真実はどこに?


不良社債と不動産投資への不良社債に関して
データの信憑性に対する疑問が大きく膨らんでいる。
銀行ネットワークによる不良社債10%は正しいのか?


数字

2012年第2四半期末現在の不良社債と、不動産分野の不良社債に関する
正確な数字が発表された。国家財政監査委員会による「驚愕の報告書」が
投資家業界と一般市民に不動産分野における不良社債を開示した。

2011年末の時点で不動産分野の借金は348兆VNDに達した。
国家財政監査委員会によると、この数字は過去に銀行が発表した数字の
1.8倍も高いものである。

同委員会は、各銀行では不動産分野の不良社債が発表されたデータより
8倍も高く、銀行ネットワーク内で不良社債の変動が初めて発生した
2011年6月から現在までに、各銀行が実際の貸付資金を発表しておらず、
不良社債の比率が重篤な状態になっていることを示唆した。

BIDVは投資家業界の噂が示す通り、建設への貸付額が最大の銀行であり、
その額は約42兆VNDだ。因みに次点はVietinbankで41兆VND。
この2行で不動産と建設分野に対する貸付額の14%を占めている。
また、ACBとSacombankもTOP10内に含まれている。

不動産・建設分野に対する貸付資金の比率が高いのは規模の小さな銀行で
Phuong Nam民間商業銀行、Phuong Tay商業銀行、Dong A商業銀行が26%、
SHBは18%となっている。
この数字は安全比率の3%~5%を大幅に上回っており、
これまでに銀行が発表したものとはだいぶ異なる。報告ではAgribankのみ
不良借金が6%以上と発表しているが、他の銀行は事実を隠しているようだ。

専門家は不動産・建設分野への不良社債比率が50%あると見込んでおり
不良社債の約半分は明らかにされていない可能性がある。

国家財政監査委員会の報告書によれば、現時点で大手10行における
不動産・建設分野への貸付額は147兆VNDに達しており、
2011年末に報告された実績73%に相当する。
この統計では不動産・建設分野への貸付額が全体の42%を占めている。

つまり、国家財政監査委員会が発表した348兆VNDに照らし合わせると
上記10行の貸付総額は147兆VNDではなく254兆VNDとなるはずだ。

この数字は2011年末に政府関係者が非公式で発表した数字と一致する。
そうなると資金3分の1の貸付先が特定されていないことになる。

不動産・建設分野への不良社債比率はどのくらい?

国家経済を支配している不動産市場の状況に関する統計が曖昧である。
国家財政監査委員会と国家銀行は不動産分野への不良社債と貸付額の実情を
把握できてないようだ。以前、国家銀行が2回ほど各銀行に不良社債と
貸付状況の報告を求めたが、具体的な数字を明らかにした銀行はなかった。
この件で警告の対象となった銀行はない。

2012年5月末、国家銀行は国会に不良社債比率を10%と報告したが
前年11月の報告では3.4%しかなかった。つまり半年で銀行ネットワークの
不良社債が3倍に増えたわけだが、この異常な増加に関する情報は
一回も発表されていない。

不動産への不良社債を含む不良社債全体の統計差、情報の不正確さが大きく、
世論は10%が不足なのかということに疑問を持っている。

また、外国の格付け機関であるFitch Ratingsの発表が国家銀行大きく違う。
国家銀行は2011年6月に銀行ネットワークの不良社債比率が3.2%と
発表したが、Fitchの評価は13%で国家銀行の4倍である。
国家銀行の新たな発表は10%だが、実際の数字はどうなのだろうか?

不良社債が50%に達すると、不動産分野に対する貸付資金の125兆VNDが
消失してしまう可能性がある。この数字は国家財政監査委員会が発表した
348兆VNDの36%を占めている。

50%の不良社債が回収できないことで、不動産投資への不良社債は
2012年5月に国会が発表した10%の3.6倍となる。これが事実だった場合
ベトナムの金融市場は重大な危機に直面する。

Vef.vn 2012年7月5日

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