MFIC社はこのたび、米国政府機関Overseas Private Investment Corporation(OPIC:米国海外民間投資公社)より400万ドルの融資を受けることが決定いたしました。申請開始から、実に1年以上かかりましたが、現在合意文書作成の最終段階に来ており、来週中には署名式を行う見込みです。その模様は改めてご報告いたします。
OPICが融資を行う対象は、1)発展途上国の経済、社会発展に寄与する事業である 2)米国の対外政策に沿うものである という条件に加え、独立採算で組織を運営しているため、3)市場相場に順ずる金利を返済する収益力がある という3つの条件を満たしている必要があります。従いまして、今回の融資決定は、MFIC社の事業が、厳しいOPICの基準に見合うものであるというお墨付きを得たことを意味し、MFIC社にとっては非常に重要な意味を持っております。
これを契機に、事業進展がますます加速するものと期待しております。
早速2月23日(木)付けの産経新聞に記事が載りました。
---------- 以下掲載記事 ----------
テロ資金阻止に新手法 米政府、日系金融会社を支援
【ワシントン=気仙英郎】
米政府は、出稼ぎに来た労働者や移民などの本国への送金がテロ資金に使われるのを防ぐための地下銀行規制の一環として、途上国への送金を割安でできる金融サービスを立ち上げた日系金融会社への融資を決めるとともに、主要国に対し、同様のサービスを活用するよう働きかけを始めている。二〇〇四年のシーアイランドサミット(主要国首脳会議)でも出稼ぎ労働者の本国送金支援を打ち出しており、今回の措置はこれを後押しするものだ。
新サービスを立ち上げたのは、元東京三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)の前ワシントン駐在員事務所長、枋迫(とちさこ)篤昌氏が創設した「マイクロファイナンス・インターナショナル・コーポレーション(MFIC)」。同社はこのほど、米国海外民間投資公社(OPIC)から四百万ドル(約四億七千万円)の融資を受けることが決まった。
米国にいる中南米からの移民が本国へ送金する額は、日本円で年間四兆円を超えるが、米国内の移民一世の約六割が銀行口座を持つことができないという。そのため、送金業者を通じてお金を送ると12-16%の高い手数料が取られるケースが多い。その結果、正規のルートを避け、地下銀行を通じて送金した金がテロ資金に流用されることが懸念されている。
この手数料を軽減するため、枋迫氏は南米の中小金融機関と提携。その金融機関がMFICに口座を開設することで、安い手数料で送金する仕組みを作った。出稼ぎ労働者が本国に送金する場合、まずMFICにあるそれぞれの中小金融機関の口座に入金。中小金融機関は、MFICから入金を知らせるメールを受け、ネットで入金を確認。窓口に来た移民の家族に金を支払う仕組み。
実際の金は、MFICと中小金融機関がそれぞれ米国内に持つ銀行口座でやりとりすることで、一件あたりの送金手数料を二百ドル未満で七ドル、一千ドル未満では十ドルに抑えることができた。
MFICはまた、その収益を途上国の中小金融機関に低利融資して、現地の人々の起業を支援する事業を展開している。
米財務省は出稼ぎ労働者や移民からの送金が地下銀行に流れ、テロ資金につながらないよう手数料の削減方法を模索するなかで、MFICに注目。昨年五月、ロンドンで開かれたG8の財務担当者会合では、枋迫社長自ら米財務省の要請を受け、同社の送金システムを発表した。
一昨年七月にスタートした同社は、首都ワシントン、デラウェア、バージニア、メリーランドに直営七店舗を開設、営業を拡大している。すでに中南米六カ国への送金を行っており、顧客数は約三万人に達した。
枋迫氏は「OPICからの融資は、世界の送金手数料を下げるビジネスモデルに一番近いという認定を受けたと理解している。年内にカリブ海諸国を含む中南米諸国への送金ネットワークを完成させたい」と語っている。
(産経新聞) - 2月23日3時35分更新